生物の設計図ともいえる遺伝子には、決まった法則があります。
遺伝子は大抵のものがペアで存在しています。
ペアになっている遺伝子の中で特徴が強く出る遺伝子のことを、優性遺伝子といいます。
一方、性質として発現しない遺伝子のことを劣性遺伝子と呼びます。
生活を送っている中で、こうした遺伝子に異常が起こる場合があります。
その原因には、両親から受け継いだ遺伝情報が関係する「遺伝要因」とたばこや紫外線、ウイルス、加齢などの環境的要因で起きる「環境要因」があると指摘されています。
遺伝子異常が起きると、通常とは異なるタンパク質が作られてしまい、病気を発症するリスクが高まることがわかっています。
実際、遺伝する病気にはさまざまなものがあります。
例えば、親から受け継いだ遺伝子の組み合わせによって発症リスクが変わる「多因子遺伝病」は、高血圧や糖尿病、がんなど、私たちにとって身近な病気が含まれます。
そのほか、ひとつの遺伝子の異常で発症する「単一遺伝子疾患」というものも存在します。
単一遺伝子疾患には、フェニルケトン尿症や筋ジストロフィーなど、特定のタンパク質が作られなくなることで症状が現れるものが多いとされています。
遺伝する病気は、必ずしも親から子へ受け継がれるわけではありません。
遺伝要因だけで発症するわけでもありません。
生活習慣や環境要因も複雑に関係するため、遺伝的なリスクがあっても発症しない場合もあります。
遺伝子検査によって病気のリスクがわかったからといって、過度に心配する必要はありません。
遺伝情報を知った上で、それを健康づくりに役立てていくことが大切です。